みんなの魂旅STORY

貴族の跡継ぎに生まれて

F.M.さん(女性)の過去世物語

 まだ“貴族”という階級が幅をきかせていた時代の男性として私は生まれました。今のドイツがある地域で、私の名前はアンリ。
 家族は、父と母と姉。大きなお屋敷に、使用人もたくさんいて、私はその家の跡取りとして、特に父親から大切に育てられていました。
 母親は実の母親ではなく、あまり愛を感じませんでした。おそらく父がどこかの女性に産ませた子供が私だったのだと思います。
 家族で一緒に食事をしていても、母と姉は通じあっているようでしたが、私はどこか1人、という感覚を持っていました。父は心の内では私に対する愛情を強く感じているようでしたが、貴族の当主としての体面もあり、気安く甘えられるような感じではありません。

 私が20代の頃は、家での貴族同士のパーティーに、うんざりしつつも参加しています。心の中では、「こんなパーティー、何が楽しいんだろう」と思いながらも、そんな生活に甘んじているのです。自分も貴族の家の跡継ぎなのに、貴族なんて、と斜に構えて見ていました。

 そしてそれから少ししたとき、当主である父が国から反逆者の容疑をかけられ、連行されてしまいます。父が連行される姿を呆然と見ている自分。父は、確信犯的に、国に対してなにか事を起こそうとしていたわけではなかったようですが、どこか思い当たるフシがあったのか、諦めと申し訳ない表情で連行されていきました。
 さらには、私自身も拘束されて、牢屋に入れられてしまいます。

 牢屋の中から、「私は何もしていない。私は何も悪くない!!」と叫ぶのですが、誰にも聞き入れてもらえず・・・。

 次の場面では、処刑場で処刑を待っている自分の姿が・・・。町の小さな広場のようなところの公開処刑場。町の人が何人か、見に集まっています。このような公開処刑は珍しいことでもないようで、みんな淡々とした表情で見ています。
 そして私は首に縄をかけられ、首を吊って息絶えるのでした。なぜこのような状況になってしまったのか、なぜ自分が処刑されなくてはならないのか、最後まで納得できずに無念な気持ちを抱えたままでした。

この過去世を見た感想は・・・

アンリは、貴族という自分の生活に、なんとなく違和感を感じながらも、特に何か志があったわけでもなく、流された生活を送っていました。そして、まわりの状況によって、不条理な死を遂げてしまいましたが、それはある意味自分の意志で人生を生きてこなかったからのような気がしました。
私の今生の人生も、なんとなく不完全燃焼な気持ちを抱えてきてきたけれど、この人生を見ることによって、完全燃焼で生きよう!と改めて強く決意することができました。

ヒプノセラピーの感想は・・・
今まさに自分にとって必要な過去世を見ることができたことを、とても不思議に感じました。ちょうど、新しい時期に移行するようなタイミングで、これからは本当に好きなことをやっていこう、と思っていたからです。過去世のアンリと対話したとき、現在の自分のことを、励ますためにやってきてくれたような気がして、とても嬉しかったです。たくさんの愛と勇気をもらいました。素晴らしい体験でした。