人とのつながりを大事に、自由に生きた人生
最初に見たのは、日本の農村風景の中で過ごす幼少時代です。時代は明治か大正時代のようなイメージです。私は男性で、「ごんべえ」と呼ばれています。
大人数の家族のなかで、それほど裕福ではないものの、あまり不自由なくのびのび過ごしているようでした。いつかは農村から離れて、都会のようなところに出ていきたいという夢を持っています。
青年に成長するとともに、近代的な建物が並ぶ都会(東京か横浜あたり)で学んだり、働いたりしていました。多くの人が通りを行き交うにぎやかな雰囲気のなか、将来に夢を持って活動しています。
大人になると、結構大きな規模の会社で仕事をしていました。緊張感のある仕事を責任をもってやり遂げているようでした。
そして、年齢とともに社会的な地位も得てゆき、晩年は政治的な活動にも関わっています。当時としては立派な、レンガづくりの大きな建物で過ごしていました。
自分の生活や、担っている仕事の責任については概ね満足しているものの、何か一つのことに命を賭けるほど努力して自信を得る経験はあまりないようでした。薄く広く、いろいろなことに取り組んでいたので、特定の分野の専門家にはならなかったようです。
そのことは少しさびしくもあり、「何かに集中していれば違う人生もあったのではないか」という悔いもありましたが、一生を通じて、多くのあたたかい人間関係に恵まれたことには、大いに感謝していました。晩年も1人きりになることはなく、人の縁のありがたみを味わいました。
「特段現状の仕事や生活に不満はないものの、専門家になっていないのが少しさびしい」という点は、今と共通する感覚でした。過去世でも現世でも、世の中の多くのことに興味があるため、あえて特定の分野に縛られることを避けて、自由に生きようとしているのかもしれない、と感じました。
多くの人間関係に恵まれて感謝していることも、今と同じです。この過去世の晩年には、名誉や財産の価値は認めつつも、本質的に人生を豊かにするのは、周囲の人とのつながりだと実感する場面がありました。この感覚は、今後も大切にしたいと感じました。
過去世の自分から、今の自分へのメッセージを問われたとき、思い浮かんだのは、「まだまだ未熟なのでもっと頑張れ」という叱咤激励でした。確かにそうだな、と反省したので、「これだけは自信をもって努力したといえる」という実績をつくろうと思いました。
- 実のところ、それほど過去世や生まれ変わり、といったことを強く認識することはなかったのですが、問いかけに答えるうちに、なんとなく映像が浮かんできました。昔のことを思い出す、というよりも、まさにその時代を生きて、その瞬間に感じていたことをなぞるような感覚でした。
- 貴重な収穫は、過去世で体験したり学んだりしたことが、今の人生につながっている、という感覚をつかめたことでした。つまり、今の人生で学ぶことは、次の人生以降につながっていくわけで、楽しみが増したような気がします。
- 初めての経験だったので、はっきりとは見えずおぼろげな部分もありましたが、再度見てみると、また違う発見があるのではないかと期待しています。