孤高の職人として生き抜いた人生
最初に現れた風景は、砂利石の山の上でした。足元に雲が漂い、空は薄暗く、かなり厳しい気象条件と足場の悪さで緊張感がぬぐえない中、私は一心不乱に発掘作業をしています。
私の名前はジョージ。かなり古い時代のヨーロッパに生きた男性です。
人が足を踏み入れないような山の奥で鉱石を採って、それを売ることで生計を立てていました。大自然を相手にする仕事なので、常に緊張を強いられ、ひとときも気を抜けない毎日です。
たまの息抜きは、海で釣りをすることです。陸から少し離れた湾の中に、いかだを浮かべ、釣り糸を垂れてのんびりと過ごします。海側から眺める街はとても美しく、私は仕事に疲れると、よく海に来てその風景を楽しんでいました。
私は、山の中でも海の上でも、ひとりで黙々と同じ作業を繰り返し、思索に耽りながらも、穏やかな自分の人生にとても満足していました。
ある日、仕事中に足を滑らせて怪我をしてしまい、病院に入院することになってしまいました。これでは仕事ができないと焦りつつも、一方で少しホッとしました。そんなことでもない限り、休める時間はなかったからです。
ほどなく回復すると、今までどおり仕事に精を出す毎日が続きました。
そうして一生懸命働いたおかげで、ついに私はひと山当てて、大成功を収めたのです。支えてくれた友人たちやお世話になった人たちを呼んで盛大なパーティを開き、感謝の気持ちを伝えました。
これで食べるに困らない生活は保証されましたが、豪華な生活や派手な社交界を苦手とする私は、晩年は高原の山小屋にこもり犬やヒツジとともに質素に暮らす選択をします。
最低限の食べ物と静かな暮らし、動物というパートナーがいれば満足だったのです。
最後はその山小屋のベッドで愛犬に看取られて息を引き取りました。
生涯を独身で過ごし、実直に仕事に身を捧げるジョージの生き方は、自由と孤独を愛するスナフキンのようでもありちょっとかっこいいなと思いました。
実際に私の現在とオーバラップしているところもあり、このまま自分が信じた道を歩み続けて良いんだと勇気づけられました。
世間の価値観に合わせ結婚して子供を産み育てる生き方だけが幸せではないと、孤独かもしれないけれど自己実現を追求する生き方を肯定してもらった気がします。
- どちらかというと右脳ではなく左脳派なので、うまくイメージが浮かぶのか不安でしたが、勝手に口からストーリーが湧き出てきたのに驚きました。
- 過去世の私に応援してもらったおかげで、翌日から明らかに変化した自分がいました。地に足がついていて、辛くてもがんばろうと力強く思えるようになりました。
- 最後に明かしますと、カノンさんは古くからの友人です。彼女のたくさんの引き出しの中で、このようなセラピーは多くの人たちの救いになるだろうと思います。